一生に一度の手術だから

従来、避妊・去勢手術は望まない妊娠を避けることを目的として実施されておりましたが、動物たちの生活環境の変化とともに手術の目的も多様化しています。手術の目的は、�@ご家庭の環境、�A同居の動物（異性の存在や互いの関係など）、�B手術を受ける動物の特徴（品種や年齢など）、�C体質や持病、�D 手術が体に及ぼす影響、�Eご家族の考え方などにより、決して一様ではありません。避妊・去勢手術は全ての個体に等しく推奨されるものではなく、実施するかどうかは上記のことを踏まえ、個別に判断する必要があります。
まずは手術を実施する目的を明確にしましょう。そしてその目的が手術で達成可能かどうか、手術の欠点を上回る恩恵が得られるかどうか、他に有効な方法はないかどうかなどを十分に検討する必要があります。決して目的のない手術、安易な手術にならないよう、手術の意味をご理解された上で決断して下さい。一生に一度の大切な手術だから、十分に説明をさせていただいた上で、より良い手術ができるよう万全のサポートをいたします。

手術の方法について

手術前の相談と説明
当院から手術についての詳しい説明をした上で、ご不明な点がないか十分に話をうかがい手術の日程を調整します。

手術前の検査
麻酔をかけて手術をするにあたり問題がないか、全身の身体検査と血液検査を実施します。特殊な場合は必要に応じて追加検査を実施する場合もあります。

手術
雄は精巣摘出手術、雌は卵巣子宮全摘出手術を基本に実施します。手術前、手術後に適切な鎮痛処置を行い、目に見えない動物の苦痛にも配慮いたします。また、手術そのもの負担を軽減することは勿論のことですが、手術後にかかるストレスや生活制限を少しでも軽減するよう配慮しています。そのために、皮膚の縫合に皮内縫合という手法を用いることで、エリザベスカラーや腹帯などを必要としない快適な術後生活を送れるようにしています（※雄犬の場合のみエリザベスカラーが必要な場合があります）。尚、この手法では抜糸の必要がありません。体内に残存する縫合糸やインプラントは用いず、全て吸収性の素材を用います。

術後管理
雄の去勢手術は日帰り、雌の避妊手術は一泊入院になります。ご希望がありましたら可能な範囲で入院日数の延長や短縮に応じますのでご相談下さい。