肥満は人間社会だけの問題ではなくなりました

生活習慣病のプログラムを考える上で肥満は避けては通れない問題になってきました。肥満には関節疾患、心疾患、呼吸器疾患、皮膚疾患、内分泌疾患、免疫力の低下をはじめとした様々な悪影響が生じます。統計によっても異なりますが、人間とともに暮らす動物のおおよそ3割程度が肥満に陥っていると言われ、潜在的にリスクを抱えた動物がいかに多いかを物語っています。当院では肥満を生活習慣病の予防に必要な重要事項と位置づけ、ご家族と一緒に取り組む減量のための特別相談を設けております。

減量相談の流れ

減量相談の受付
（減量相談は予約制になっていますので、あらかじめご連絡をいただき日程を調整いたします。お電話でも結構ですのでお気軽にお問い合わせ下さい。）

減量専用問診票の記入
（減量相談専用の問診票をお渡しします。食事に関する詳細を記入していただくことで何が問題で、何が必要かを診断します。項目が多岐にわたりますので健康診断当日までに記入をお願いいたします。）

系統的身体検査
（現在の肥満度をBCS（Body Condition Score）に基づいて判定し、目標体重の設定と必要カロリーを計算します。太る要素がないにも関わらず体重の減らない動物は症候性肥満と言って病気で痩せない可能性もありますので必要があれば血液検査を実施します。）

減量プログラムの作成
（問診と身体検査の結果に応じて個別に減量対策を作成します。作成に時間を要しますので後日のお渡しになります。）

定期的体重チェック
（定期的に体重のチェックを行い、対策の調整をしながら目標に達するまでご家族と一緒に頑張ります。）

肥満の問題を抱えるのは動物ですが、実際に減量に取り組むのはご家族の方という難しい関係にあるため、ご家族が一致団結して取り組めるかどうかが成功の鍵を握ります。目標に向かって体重が減っていく過程はとても嬉しいものです。目標に到達した時の達成感は格別なものになるでしょう。そして何より体重が減るにつれて動きが軽やかになっていく動物たちの姿に苦労を癒されることと思います。